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センシング技術を利用した農作業支援

概要

我々は,農業をIT技術で支援するためのプロジェクト(「農匠ナビ」プロジェクト)に参加しています. 農作業者に注目し,農作業情報を自動的に取得するための手法を研究しています. カメラのセンシング技術を利用することによって,農作業者に負担をかけることなく農作業情報を取得することが可能となります. 取得した農作業情報だけでなく,その他のセンサ情報を(植物の生態情報,環境情報)を合わせて分析することで,熟練の農作業者の持つ経験や勘をモデル化することを目的としています.

詳細

これまで農業を支援するためにIT技術を導入しようとする様々な研究が行われてきていました. 従来の研究は,農作業のスケジュール管理(作業日程,資材,人員,出荷),作業記録(作業内容,利用した農薬や肥料,病害虫の発生状況)など,紙ベースで記録されていた出来スト・数値情報を電子化することが中心でした. しかし,最近では農業の高度化や食料自給率の上昇を目指した農業生産品の増大のため,農業従事者のスキル向上や,新規就農者への技術支援のための情報システムを開発する試みが行われています(「農匠ナビ」プロジェクト).

技術支援におけるポイントは農作業に関する技術を効果的に伝えることであり,農作業手順の詳細な記録やその可視化が必要不可欠です. 農作業者の作業内容を自動的に記録するためには,作業者がどこで作業を行っているかを認識し,作業内容と作業対象を識別することが重要です. 我々は研究の第一段階として,現在農作業者の位置計測に取り組んでいます.

ここで対象とする温室内での作物栽培では,GPSなどを用いても障害物の影響で正確な位置は計測できません. しかし,カメラによる位置計測を行うことで,農作業者に特別な機械を装着せずに位置計測を行うことができます. 最近ではコスト的にも比較的安価にカメラを利用することができ,温室の状況を観察するためにカメラを設置する農場も現れてきており,カメラによる位置計測は有効な手段であると言えます.

また,温室は太陽光の影響で照明変動が大きいため,照明変動に対して頑健な検出手法が必要です. しかし,一般に農作業は様々な姿勢で行われ,様々な農作業具を用いるため,HOG等の対象形状をある程度想定した検出手法の適応は容易ではありません. そこで,以前より我々の提案してきた照明変動に対して頑健な背景モデリングに基づく対象検出をベースとした手法を利用しています.

発表文献

国内学会 (査読無し)

  1. 川島 学,馮 磊,島田 敬士,谷口 倫一郎
    圃場設置カメラを利用した農作業者位置計測
    農業情報学会2012年度年次大会, 2012.05
    (Keyword: agri)
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  2. 川島 学, 島田 敬士, 長原 一, 谷口 倫一郎
    農作業自動記録のための農作業者位置計測
    ビジョン技術の実利用ワークショップ(ViEW2011), pp.193-196, 2011.12
    (Keyword: agri)
    BibTeX